分譲マンショ ンの「専用使用権」について

分譲マンションの各住戸「建物専有部分」以外は、「共用部分」(敷地や建物共用部分)と呼ぱれ、各個人の自由にならない部分ですが、「共用部分」の中で例外的に、特定の人だけが専ら使うことができる部分を「専用使用部分」といい、それを使うことのできる権利を「専用使用権」といいます。

「専用使用部分」の範囲は各マンション毎に規約で定めることができますが、「標準管理規約」では、下記の部分を「専用使用部分」としています。

  1. 駐車場
  2. 各住戸に面するべランダ及びテラス、1階住戸に面する庭
  3. 玄関扉、窓枠、窓ガラス

共用部分に設置された「駐車場」のそれぞれの区画は抽選等により決められた特定の人だけが使用できるので、「専用使用部分」とされています。

「べランダ、テラス、1階住戸の面する庭」を使用できるのは、構造上それぞれに接する住戸の居住者だけに限られるので「専用使用部分」とされ、その住戸の区分所有者及ぴ賃借人に「専用使用権」が与えられます。

「玄関扉、窓枠、窓ガラス」等は、各自が勝手に広告を貼ったり、ガラスの色を変えたりすると外観を損ねる恐れがあるので、「共用部分」と した上で、専用使用権を与えることにより、身勝手な利用の仕方に歯止めをかけたものです。

尚、共用部分の維持管理は管理組合の総会の決議により、管理組合の負担にて行われますが、「専用使用部分」の通常の管理は「専用使用権者」が行うことになります。

例えば、ベランダ・バルコニーの排水口が、ゴミや木の葉や飛来物によって塞がれたことにより、雨水が溢れて室内及びその階下にも被害が及んだ場合、その責任は、管理組合ではなく、専用使用権を有する各区分所有者(又はその部屋の住人)が負うことになります。

窓ガラスが割れたときの交換費用等も専用使用権者が負担しなければなりません。

マンションの共同生活と騒音トラブルについて

マンショ ンの共同生活で問題となる音について話を進めてみましょ う。

マンショ ンでは共同生活ですので、ほかの住戸の生活音が聞こえるのは仕方のないことではあります。
しかし、それが騒音トラブルに発展するのは避けたいものです。騒音問題が原因のトラブルを、事前に避けることはできるのでしょうか。

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「高齢者のみまもり」と「マンション管理組合」の業務について

2015年の国勢調査によると、日本の総人口は1億2709万人となり、5年前の前回調査と比較して、96万人の人口減少がみられました。

75歳以上の後期高齢者の割合が年を追って増加して、現在では8人に1人以上となり、14歳以下の子供の人口を上回って、人口減少、少子高齢化が進んでいます。

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マンションの共同生活とトラブルの事例と対策

マンションでは、今まで一面識もなかった人達が、上下左右の隣人として共同生活を始める訳ですから、そこでは、共同生活をしていく上でのルールが必要になります。具体的には、「建物の区分所有等に関する法律」(以下 区分所有法)及び、各マンション毎に作られる「管理規約」及び「使用細則」で定めたルールに従って生活をしていくことになります。

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マンションで「漏水事故」が起った場合の管理責任

実際に起った事例ですが、台風による集中豪雨でマンションのバルコニーやベランダに雨水がたまって溢水し、マンションの室内に浸水して、その部屋だけでなく、被害が下の階の住人にも及びました。

原因は、バルコニーの排水口が、ゴミや木の葉や飛来物によって塞がれたことによるものです。
バルコニーは共用部分ですが、この場合の室内の被害(階下の被害も含む)に対する責任は誰が負うのでしょうか。

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「マンション管理組合」と「自治会」の関係について

「マンション管理組合」は、分譲マンションの共有財産(敷地及び建物の共用部分や諸設備)の維持管理を目的とした組織です。

一方で、「自治会」あるいは「町内会」などと呼ばれている組織は、同じ地域に居住する住民が互いの親睦を図ると同時に、行政の末端業務を補うような活動を行っている自治組織です。

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分譲マンションの修繕計画と修繕積立金について

「分譲マンション」を買うと、(1)「建物の専有部分」と(2)「共用部分」=「マンションの敷地」や「建物共用部分」があり、

  1. 「建物の専有部分」の維持費や修繕費はそれぞれ個人の負担ですが、
  2. 「建物専有部分」に属さない「敷地」や「建物共用部分」の維持管理や修繕は、管理組合の総会の決議により「修繕積立金」を取り崩して、対応することになります。

では、先々の大規模な修繕に備えるためには、月々どれくらいの「修繕積立金」を積立てなければいけないでしょうか?

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分譲マンションの専有部分と共用部分について

「分譲マンション」を買うと、先ず最初に耳にするのが、「建物の専有部分と共用部分」という言葉です。

「戸建て住宅」を買うと「分譲マンション」を買うとでは、どのような違いがあるのでしょうか?

一般的に、「戸建て住宅」では、買った「土地」と「建物」は全て自分の所有物ですが、「分譲マンション」の場合、購入者は「区分所有者」と呼ばれ、自分が購入した、号数が付された部屋内、つまり「建物専有部分」と呼ばれる部分だけが自由にできる個人所有の対象で、建物が所在する「土地」は「区分所有者」全員の共有物であり、また「建物」のうち

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分譲マンションの耐用年数は?寿命と建て替えについて

「分譲マンション」の耐用年数はどれくらいでしょうか?
寿命が来た分譲マンションは建て替えるの?

鉄筋コンクリートの構造上の耐用年数は60年と言われています。
現実には60年以上も経っても堅固で、生活に支障なく居住されているマンションもありますし、中には40年足らずで建て替えを余儀なくされたマンションもあります。

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